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Views:3096
ID 1275
Language Japanese
Title 特定領域「神経グリア回路網」A-01-10-公募
グリア-ニューロン・クロストークに関与するATP/グルタミン酸放出性チャネル
Last Modified Date Mar 31, 2010 20:07:55
Created Date Mar 31, 2010 20:01:43
Contributor DBPF Administrator 1 (admin)
Item Type Other
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Mar 31, 2010 言語 を変更
File GNN成果報告-A01-10-公募.pdf
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Last updated : Mar 31, 2010
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- File Name GNN成果報告-A01-10-公募
- MIMEtype \'application/pdf"
- File type pdf
Free Keywords neuron-glia
Item Description 著者:岡田泰伸

アブストラクト:
アストロサイトはニューロンに構造的かつ機能的なサポートを与えると共に、他のアストロサイトやニューロンとの間に精巧なネットワークを構築して、双方向的に情報伝達を行っている。このアストロサイト-ニューロン間情報伝達には、両細胞から放出されるグルタミン酸、ATPなどが重要な役割を果たしていることが知られている。しかしながら、これらの放出路の分子実体についての詳細は未だ不明である。本研究の目的は、それらの放出路を決定することである。

ReadMe:
アストロサイトはニューロンに構造的かつ機能的なサポートを与えると共に、他のアストロサイトやニューロンとの間に精巧なネットワークを構築して、双方向的に情報伝達を行っている。このアストロサイト-ニューロン間情報伝達には、両細胞から放出されるグルタミン酸、ATPなどが重要な役割を果たしていることが知られている。しかしながら、これらの放出路の分子実体についての詳細は未だ不明である。本研究の目的は、それらの放出路を決定することである。

マウスアストロサイトは、低浸透圧刺激による細胞腫脹に対してATP放出で応答する。本研究では、まずこの浸透圧性細胞腫脹時のATP放出の通路を検討した。これまで他種細胞においてATP放出路として提唱されてきたギャップジャンクション・ヘミチャネルであるコネキシン(Cx32, Cx37, Cx43)やパネキシン(Px1)、そしてP2X7レセプター、MRP1、MDR1のmRNAが事実マウスアストロサイトに発現していることをRT- PCR法で確認した。しかしながらこれらのブロッカーはいずれも細胞腫脹時ATP放出を抑制しなかった。またBrefeldin A (BFA)投与と細胞内Ca2+キレート剤(BAPTA)負荷によってエキソサイトーシスを阻止しておいても低浸透圧性ATP放出は影響も受けなかった。更には、ATP放出路候補アニオンチャネルであるとされてきたCFTRのmRNAの発現は確認できず、CFTRブロッカーもATP放出には無効であった。マウスアストロサイトは浸透圧性細胞腫脹に対して、容積感受性外向整流性アニオンチャネル(VSOR)電流や巨大単一チャネルコンダクタンスを示すマキシアニオンチャネル(Maxi-Cl)電流の活性化で応ずるので、それらのブロッカーのATP放出への効果を調べたところ、Maxi-Clブロッカー Gd3+のみが著しく低浸透圧性ATP放出を抑制した。これらの結果から、マウスアストロサイトの細胞腫脹時のATP放出はMaxi-Clを介することが示唆された(Cell Research, 2008)。マウスアストロサイトは、低酸素・グルコース除去(虚血)条件下でもATPを放出するので、次にこの時のATP放出路を調べた。この場合にも、エキソサイトーシス、ABCトランスポータ、ヘミチャネル、P2X7レセプター、CFTR、VSORなどに対するブロッカーは無効であった。一方 Maxi-ClのブロッカーであるGd3+やアラキドン酸は、著しく虚血性ATP放出を抑制した。また、マウスアストロサイトはこの虚血刺激に対して Maxi-Cl電流の活性化で応答した。更には、このMaxi-Clチャネルはアニオン型ATP(ATP4-、MgATP2-)に対する有・hな透過性(PATP/PCl=0.11)を示すことが証明された。これらの結果から、マウスアストロサイトの虚血条件下でのATP放出の通路はマキシアニオンチャネルによって与えられることが結論された(Purinergic Signalling, 2008)。

次に、アストロサイトからのグルタミン酸放出の通路を検討した。マウスアストロサイトは低浸透圧刺激によっても虚血刺激に対しても細胞腫脹とグルタミン酸放出で応答した。これらのグルタミン酸放出応答は、Na+依存性グルタミン酸トランスポータのブロッカーや、コネキシンやパネキシンのブロッカーの投与によっても、BFAや bafilomycinの投与やBAPTA負荷によるエキソサイトーシス阻害によっても何ら影響を受けなかった。これに対し、Maxi-ClのブロッカーであるGd3+やアラキドン酸で大きく抑制され、これにVSORブロッカーであるNPPBとSITSを加えて投与した場合に最も大きな抑制が見られた。また、Maxi-ClチャネルもVSORチャネルも有意なグルタミン酸透過性(Pglutamate/PCl=0.21及び0.15)を示すことが証明された。以上の結果から、浸透圧性細胞腫脹時のグルタミン酸放出にも、虚血時のグルタミン酸放出にも、Maxi-ClとVSORが通路を与え、前者がより大きく寄与をすることが結論された(Glia,2006)。

次に、炎症関連因子ブラジキニンによるマウスアストロサイトからのグルタミン酸放出の通路を検討した。各種候補通路に対するブロッカーのうちで、VSORアニオンチャネルのブロッカーのみがこのグルタミン酸放出を抑制し、隣接ニューロンへのシグナル伝達も抑制した。事実、ブラジキニン刺激によって(Maxi-Clではなく)VSOR電流が活性化され、これを介してグルタミン酸が放出され、これがニューロンのNMDAレセプターを刺激してCa2+増をもたらすこと、即ちアストロサイトからニューロンへのCaシグナルの伝達がもたらされることが明らかになった。更に、アストロサイトにおけるブラジキニン刺激はB2レセプターを介すること、そしてその結果として活性酵素種ROSの産成がもたらされ、これがVSOR活性化を誘導することが示された。以上の結果から、ブラジキニン刺激下でのアストロサイトからのグルタミン酸の放出路はROSで活性化されるVSORであることが結論された(IUPS2009発表予定、英文論文投稿中)。

以上の結果は、次のスキームによって要約される。

【文献】
1) Sabirov RZ, Sheiko T, Liu H, Deng D, Okada Y*, Craigen WJ Genetic demonstration that the plasma membrane maxi-anion channel and voltage-dependent anion channels (VDACS) are unrelated proteins. J. Biol. Chem. 281: 1897-1904 (2006)
2) Liu H-T, Tashmukhamedov BA, Inoue H, Okada Y*, Sabirov RZ Roles of two types of anion channels in glutamate release from mouse astrocytes under ischemic or osmotic stress. Glia 54: 343 - 357 (2006)
3) Dutta AK, Korchev YE, Shevchuk AI, Hayashi S, Okada Y*, Sabirov RZ Spatial distribution of maxi-anion channel on cardiomyocytes detected by smart-patch technique. Biophys. J. 94: 1646-1655 (2008)
4) Liu H-T, Sabirov RZ, Okada Y* Oxygen-glucose deprivation induces ATP release via maxi-anion channels in astrocytes. Purinergic Signal. (in press) (2008)
5) Liu H-T, Toychiev AH, Takahashi N, Sabirov RZ, Okada Y* Maxi-anion channel as a candidate pathway for osmosensitive ATP release from mouse astrocytes in primary culture. Cell Res. 18: 558 - 565 (2008)
6) Sabirov RZ, Okada Y The maxi-anion channel: A classical channel playing novel roles through an unidentified molecular entity. J. Physiol. Sci. 59: (in press) (2009)
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