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ID 1296
Language Japanese
Title 特定領域「神経グリア回路網」A-03-2-公募
ミクログリア亜種が示す異なった神経保護作用:細胞系譜の解明と疾患治療への応用
Last Modified Date Mar 31, 2010 22:09:32
Created Date Mar 31, 2010 22:09:32
Contributor DBPF Administrator 1 (admin)
Item Type Other
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File GNN成果報告-A03-2-公募.pdf
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- File Name GNN成果報告-A03-2-公募
- MIMEtype \'application/pdf"
- File type pdf
Free Keywords neuron-glia
Item Description 著者:中山 仁、川原浩一

アブストラクト:
我々は、脳において炎症性サイトカインや炎症性物質を産生して神経傷害的に働くのがミクログリアの主たる機能という従来からの捉え方ではなく、状況によっては神経保護的機能も示すこと、その二面性はミクログリアのサブタイプによって決まるのではないかとの考え方で研究を進めている

ReadMe:
我々は、脳において炎症性サイトカインや炎症性物質を産生して神経傷害的に働くのがミクログリアの主たる機能という従来からの捉え方ではなく、状況によっては神経保護的機能も示すこと、その二面性はミクログリアのサブタイプによって決まるのではないかとの考え方で研究を進めているが、本特定領域研究によって以下の点を示すことができた。

1)抗炎症性サイトカインIL-4で誘導されるAβクリアランス能は2型ミクログリアに限られる(in vitroでの成績)
スカベンジャー受容体CD36はマクロファージや脂肪細胞では酸化LDLなどの貪食能を示すが、ミクログリアではオリゴマー状およびモノマーのAβ1-42を貪食すること、この機能はラット脳のグリア初代培養系から分離した2型ミクログリアをIL-4で刺激すると顕著に誘導されるが、同様に分離した1型ミクログリアには認められないことを示した。分離した1型と2型では、CD40やCD86の発現量に大きな差があることもわかった。これは、これまでに1型、2型ミクログリア細胞株として樹立された6-3、Ra2に対応していた。さらに、IL-4刺激によって、2型ミクログリアには選択的にCD36とAβ分解酵素として知られるneprilysinやインスリン分解酵素(IDE)が誘導されるが、これまでに報告があったスカベンジャー受容体SRAには変化がないことも示した。したがって、2型ミクログリアに選択的に誘導されるAβ1-42のクリアランス能は、スカベンジャー受容体CD36 とAβ分解酵素neprilysin やIDEの発現増大によるものと考えられた(Shimizu et al., J. Immunol. 2008)。

2)IL-4で誘導されるAβクリアランス能はアルツハイマー病モデルマウスでも観察される(in vivoでの成績)
In vitroで観察されたAβクリアランス能は、アルツハイマー病モデルマウスの一つで比較的早期にAβ蓄積が起こるAPP23マウス(M. Staufenbiel 博士から供与)の海馬周辺にIL-4/IL-13の混合物を微量注入した場合にも観察された。この効果はAβ蓄積がある一定レベルに達する4.5ヶ月齢に顕著で、蓄積レベルが低い3ヶ月やAβの繊維化が顕著になる6ヶ月齢以降では認めがたいこともわかった。また、併行してモリス水迷路を用いた行動実験で空間認知能を測定したところ、Aβ蓄積が減少したマウスでは統計的に有意に認知能の改善が認められた。これは、in vitroで観察したAβクリアランス機構がin vivoでも機能していることを強く示唆している(投稿準備中)。
ある種の薬物候補はAβクリアランス能に関わるCD36やNEPの発現を増大させる
上記の結果より、IL-4を代表とする抗炎症性サイトカインによって活性化された2型ミクログリアに誘導されるAβクリアランス能は、アルツハイマー病の新しい治療に応用できる可能性が示されたが、これを治療法とするためには、これらサイトカインの産生を脳内で高める方策が必要である。その一つとして、脳内に移行できうる薬物候補としての低分子化合物をin vitroで検討した。その中で、ある種の合成化合物がCD36やneprilysinの発現レベルを増大させることがわかってきた。In vivoでの実験も含め、今後その展開を図りたい。

3)1型ミクログリアを識別するモノクローナル抗体の作製とその応用
冒頭で述べたように、我々はミクログリアの二面的な機能は少なくとも2種類のサブタイプがそれを担っているのではないかと考えている。これを実証する一環として、 2種のミクログリアを識別できるモノクローナル抗体の作製を検討したところ、これまでに1型ミクログリアを選択的に認識する抗体9F5が作製できた。 9F5は、ほとんど全てのミクログリアと反応するIba1抗体とも明らかな相異がある。分離した2つのミクログリアはLPS/IFNγの炎症性刺激に対して、iNOSの産生など顕著な炎症性応答を示すのは1型であることを、in vitroのレベルで既に確認しているが、in vivoでも同様の結果となるか、微量のLPS/IFNγを成獣ラット脳内に注入した時の応答を上記2種の抗体を併用して調べた。その結果、注入後24h で最大となるiNOSの産生は9F5陽性の1型ミクログリアのみに認められることを示しえた(投稿中)。以上の結果は、in vivoにおいても1型、2型のミクログリアが存在し、異なった機能を担っていることを支持するが、最終的な結論は両細胞の起源も含めて明らかになる時まで待たねばならない。

【文献】
1) Furukawa K, Hori M, Ouchi N, Kihara, S, Funahashi T, Matsuzawa Y, Miyazaki A, Nakayama H, Horiuchi S*. Adiponectin down-regulates acyl-coenzyme A: choresterol acyltransferase-1 in cultured human monocyte-derived macrophages. Biochem. Biophys. Res. Commun. 317: 831-836 (2004)
2) Kawahara K*, Mori M, Nakayama H. NO-induced apoptosis and ER stress in microglia. (review) Folia Pharmacol. Jpn. 124: 401-408 (2004)
3) Unno Y, Hori M, Nakayama H, Miyazaki A, Horiuchi S*. Advanced glycation end products-modified proteins and oxidized LDL mediate down-regulation of leptin in mouse adipocytes via CD36. Biochem. Biophys. Res. Commun. 325: 151-156 (2004)
4) Katsuki M, Chuang VTG, Nishi K, Kawahara K, Nakayama H, Yamaotsu N, Hirono S, Otagiri M*. Use of photoaffinity labeling and site-directed mutagenesis for identification of key residue responsible for extraordinarily high affinity binding of UCN-01 in human alpha-1 acid glycoprotein. J. Biol. Chem. 280: 1384-1391 (2005)
5) Tanaka H, Miake J, Notsu T, Sonoyama K, Sasaki N, Iitsuka K, Kato M, Taniguchi S, Igawa O, Yoshida A, Shigemasa C, Hoshikawa Y, Kurata Y, Kuniyasu A, Nakayama H, Inagaki N, Nanba E, Shiota G, Morisaki T, Ninomiya H, Kitakaze H, Hisatome I*. Proteasomal degradation of Kir6.2 channel protein and its inhibition by Na+ channel blocker Aprindine. Biochem. Biophys. Res. Commun. 331: 1001-1006 (2005)
6) Chuang VTG, Hijioka M, Katsuki M, Nishi K, Hara T, Kaneko K, Ueno M, Kuniyasu A, Nakayama H, Otagiri M*. Characterization of benzodiazepine binding site on human alpha 1-acid glycoprotein using flunitrazepam as a photolabeling agent. Biochim. Biophys. Acta 1725: 385-393 (2005)
7) Hirayama C, Watanabe H, Nakashima R, Nanbu T, Hamada A, Kuniyasu A, Nakayama H, Kawaguchi T, Saito H*. Constitutive overexpression of P-glycoprotein, rather than breast cancer resistance protein or organic cation transporter 1, contributes to acquisition of imatinib-resistance in K562 cells. Pharm. Res. 25(4): 827-835 (2007)
8) Kaneko K, Fukuda H, Chuang VT, Yamasaki K, Kawahara K, Nakayama H, Suenaga A, Maruyama T, Otagiri M*. Subdomain IIIA of dog albumin contains a binding site similar to site II of human albumin. Drug Metab. Dispos. 36(1): 81-86 (2008)
9) Kaneko K, Akuta T, Sawa T, Kim HW, Fujii S, Okamoto T, Nakayama H, Ohigashi H, Murakami A, Akaike T*. Mutagenicity of 8-nitroguanosine, a product of nitrative nucleoside modification by reactive nitrogen oxides, in mammalian cells. Cancer Lett. 262(2): 239-247 (2008)
10) Nishimura S, Takahashi S, Kamikatahira H, Kuroki Y, Jaalouk DE, O'Brien S, Koivunen E, Arap W, Pasqualini R, Nakayama H, Kuniyasu A*. Combinatorial targeting of the macropinocytotic pathway in Leukemia and lymphoma cells. J. Biol. Chem. 283, 11752-11763. (2008)
11) Shimizu E, Kawahara K, Kajizono M, Sawada M, Nakayama H*. IL-4-induced selective clearance of oligomeric β-amyloid peptide1-42 by rat type-2 microglia. J. Immunol. 181, 6503-6513 (2008)
12) Yokote S, Setoguchi R, Shimizu E, Mishima N, Kawahara K, Kuniyasu A, Shirasaki T, Takahama K, Konno K, Kawai N, Yamaoka K, Kinoshita E, Nakayama H*. A synthetic approach to develop peptide inhibitors selective for brain-type sodium channels on the basis of pompilidotoxin structure. Heterocycles 79 (in press) (2009)
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