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研究組織

C01 個体間相互作用(個体システム班)

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C01 個体間相互作用(個体システム班)

研究項目C01では、人と人、人と動物、人とロボット、人と環境などの相互作用を行動学的に調べるとともに、関連する脳神経ダイナミクスを抽出し、モデル化する。

G1班

研究課題名
他者との相互作用を介した情報獲得メカニズムの解明
研究の目的
本研究の目的は、コミュニケーション機能の基盤として、他者の動作を理解する能力、そして動作を模倣することによって自他の認識・身体図式等を確立する能力などが重要であるという発想に基づき、他者との相互作用が新たな知識や技術といった情報獲得を促進しているか否かを、ヒトと霊長類を対象とした行動学的・神経心理学的・神経生理学的・脳機能画像学的研究を組み合わせ明らかにすることである。本研究の大きな目標の一つが、健常児と自閉性障害児を対象として、動作理解・観察学習・動作模倣という観点でどのように差が見られるのかを明らかにすることである。もう一つの目標は、ヒトと他の霊長類を比較することによって、動作理解・観察学習・動作模倣における質的な差異を明らかにし、なぜヒトだけでこれほどコミュニケーション機能が飛躍的に発達してきたのか、ヒトに特有な能力とは何かを検討することである。ヒトが新たな技術や知識、さらには概念といったものを獲得していく過程において、他者との相互作用がどのような影響を持っているのかを明らかにすることによって、より良い教育環境の提案へとつながり、将来を担う子どもを健やかに育てることに貢献できる。さらに、自己と他者の関係の学習機序の解明は、他者のこころの理解能力に障害が認められる自閉性障害等の子どもへの訓練・介入方法の提言へとつながる。
  氏名 機関 専門分野 役割分担
研究代表者 中村克樹 京都大学 認知神経科学 総実験計画、実施および総括
研究分担者 中村徳子 昭和女子大学 発達心理学 実験計画および実施
連携研究者 倉岡康治 京都大学霊長類研究所 認知神経科学 実験計画および実施
連携研究者 佐々木丈夫 日本公文教育研究会 幼児教育 ヒト幼児の実験実施

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G2班

研究課題名
社会場面での人の役割分担の自律的発生メカニズムの解明
研究の目的
我々は、対人コミュニケーションとは自己の行動決定過程を他者にあてはめ、他者の行動から直接には観測困難な他者の意図や目的を推定し、それに合わせて行動決定する過程とモデル化する。しかしその過程は動的であり、相手の意図の変更に対してすばやく対応する必要があり、試行錯誤を基本とする従来の行動学習では説明できない。相手の意図を推定しての自己の役割を動的に決定する場面などの極めて短時間での役割分担の発生を、我々は「機能部品組み合わせモデル(FPCモデル)」により説明することを試みる。FPCモデルでは,我々は脳は皮質および皮質下の多くの領野を機能部品と考え,脳はそれらの機能部品を組み合わせることでその瞬間のタスクが要求する情報処理を実現すると想定する。
本研究は、行動実験、モデル解析、ロボットによる実装での検証、他グループとの研究の相互作用などを通じて、FPCモデルの検証とその計算理論化を推進する。
  氏名 機関 専門分野 役割分担
研究代表者 大森隆司 玉川大学 認知計算論 統括,処理探索過程のモデル化
研究分担者 長井隆行 電気通信大学 画像処理とロボット工学 対人ロボットの構築、機能プログラミング

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G3班

研究課題名
言語的推論と連続ダイナミクスの相互作用による意味創造メカニズムの解明
研究の目的
コミュニケーションを、新しい表現生成と、身体環境相互作用による類似性・随伴性に基づいた意味づけの連鎖プロセスとして捉え、動的・生成的コミュニケーションを支える基盤メカニズムのシステム論的理解を、次の3項により行う。
A モデル研究: 上記連鎖プロセスの数理モデルを、言語的推論と連続ダイナミクスのヘテロシステムとして構築する。このモデルを解析し、新しい表現・意味の生成が可能となる要件・プロセス・メカニズムを明らかにする。
B 実験研究: 上記連鎖プロセスを実現する実験パラダイムを構築する。この実験により、表現・意味生成の動的プロセスの特徴、それが生じる条件を明らかにする。
C 理論研究: モデルを抽象化し、組み合わせ的無限と連続的無限の階層的ヘテロ複雑システムとして定式化・解析し、新しい表現・意味・構造の生成についてシステム論的知見を引き出す。
  氏名 機関 専門分野 役割分担
研究代表者 橋本 敬 北陸先端科学技術大学院大学 複雑系・進化言語学・進化経済学 研究全体の統括・推進
研究分担者 森田純哉 北陸先端科学技術大学院大学 認知科学 実験の計画・実施
金野武司 北陸先端科学技術大学院大学 認知科学 認知実験とその分析,脳波計測データの分析

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G4班

研究課題名
環境と神経モジュールの相互作用による実時間運動指令創成のメカニズム
研究の目的
本研究の目的は、環境との相互作用の中で脳神経系が運動指令を実時間で生成するメカニズム、およびそのようなメカニズムが自律的に創成されるメタメカニズムを解明することである。本研究課題では、「運動機能発現には身体の機械力学特性と神経系の計算力学特性の時間的整合が重要である」との考えの下で、脳と環境が連続的に相互作用する条件において運動課題遂行に必要な運動指令を実時間で生成する神経メカニズムと、そのような神経メカニズムが環境・身体・神経系の相互作用の中で創成される過程を研究する。
具体的には、(1)運動を時間方向に分節して区間ごとに前向き制御の運動指令を計算し、実時間で運動指令を生成する「間欠的制御」の仮説を提案・構築し、(2)この仮説を中心として、運動指令生成機構の計算モデル、行動実験、生理実験、脳計測の手法により多面的に検証する。これに加えて、(3)この制御機構が創成されるメタメカニズムの計算モデルを研究する。
  氏名 機関 専門分野 役割分担
研究代表者 阪口 豊 電気通信大学 生体情報論 研究全体の統括、行動実験の遂行
研究分担者 宮下英三 東京工業大学 神経生理学 動物実験によるデータ収集と解析
石田文彦 富山高等専門学校 生体情報工学 サル神経活動の情報量解析
成瀬 康 情報通信研究機構 脳機能計測 脳波の計測とモデルの構築、解析
連携研究者 村田 哲 近畿大学 神経生理学 サル神経活動データの供与

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